私は二期目のアドバイザリーボードメンバーです。現職の前に在籍していた理化学研究所は、かつて、鈴木梅太郎博士らによるビタミンAの大量生産法に関する特許収入などを基盤として、研究者の自由な発想で長期的なテーマを自由に実施できる環境から、「科学者の自由な楽園」と称され、多くの科学者の憧れの楽園でした。現在も、アメーバのように縦横無尽に変化しつつ、化学、物理、生物学、医学など様々な研究分野で世界を先導しています。
乙卯研究所は、まさに、「有機化学系若手研究者の自由な楽園」となるべく、若手研究員が研究に専念・没頭できる研究環境の構築を第一に組織運営されています。
研究テーマの設定は自由ですが、自由には、大きな責任が伴います。自身が設定した研究テーマの意義・波及効果などを考えつつ、日々の実験を精力的に行い、研究報告会に緊張感を持って臨んでいる若手研究員の発表には、毎回、心を打たれます。研究報告会後の懇談会での彼らの満面の笑みは、責任感を持って研究を遂行している証であると強く感じています。
若手研究員らが高いレベルで切磋琢磨しながら、より大きな目標に向かって成長していく過程に、引き続き、貢献できるよう務めて参ります。
乙卯研究所は、情熱を持って独自のサイエンスを切り拓こうとする若手有機化学者が集う研究機関です。ここでは、自由な発想から自身でアイデアを生み出し、手と頭をフル稼働させて実験を重ね、自らの研究成果を着実に仕上げる醍醐味を味わうことができます。乙卯研究所では高度な研究設備や資金面のサポートを潤沢に受けることができるため、研究の可能性は無限に広がります。さらに、多様な専門領域をもつ5名のアドバイザリーボードと定期的にディスカッションを行い、研究の進捗や方向性について深い助言を得られる環境も整っています。何より、研究所には様々な方向性や実験技術を持つ情熱あふれる若手研究者が集っており、時にはライバル、時には仲間として共に切磋琢磨し、成長し合えるのも大きな魅力です。
私は、乙卯研究所のアドバイザリーボードに加わってから3年経ちましたが(2024年現在)、ここほどエキサイティングな研究環境はないと思います。私自身、若き日の自分がこの研究所の一員だったなら、どれほど多くのことを学び、成長できただろうと感じています。
ここであなたのサイエンスを研ぎ磨いて、世界を変えうる化学の一端を担うべくさらなる飛躍を目指してみませんか。
乙卯研究所は若い研究者が実力を伸ばすのに最適な環境が揃っています。夢をもった若い方と一緒に研究できるのを幸いに思います。私は有機合成と天然物単離、そして分子細胞生物学を用いた天然物ケミカルバイオロジー研究を行っています。
少しでも若い方のお役に立てるように頑張ります。
学位取得後、アカデミアになっても企業就職しても、しばらくの間は自分のやりたい研究が自由に出来る環境が与えられることはありません。PIや上司が提案提供する研究計画・予算・環境の中で与えられたプロジェクトを協力して行うため、限られた範囲内での研究を行うことになります。この期間が長くなると、いつの間にか継続的な成果を追い求めるようになり、気が付いたら0から1を生み出すチャレンジ精神が失われてしまいます。
この乙卯研究所では、自由な研究環境の下、学位取得直後で有機合成実験技術が最高の時に、新しいことにどんどんチャレンジして、自分が思い描く有機化学の夢を実現して下さい。そして、今後の研究人生において核となるオリジナルな研究成果を挙げ、次のステージで大きく羽ばたいて下さい。
情熱溢れる若手有機合成化学者の皆様との活発なディスカッションを心より楽しみにしています。
本研究所は、若手研究者を育成するために研究所全体で支援していただける研究施設です。
研究員は単なる博士号を取得した際の研究の継続ではなく、独自の発想と方針で研究テーマを各々が定め、意欲的に取り組むことができます。“やらされている研究”から“自らの意思・テーマでやる研究”をしたい人には最適の環境です。
一方で、自身の研究テーマに対する化学的な意義やその研究に対する課題などは、ひとりで研究をしていると思考が偏り、煮詰まってしまうことが多いと思います。しかし、その点で本研究所はアドバイザリーボードの先生方ならびに研究顧問の先生や、隣で自分とは全く違う研究を展開している熱意ある研究員と気兼ねなくディスカッションができ、柔軟な思考で研究の発想を練れることも大きな魅力です。
乙卯研究所は、研究者自らが立案した研究テーマに挑戦することができる恵まれた環境です。また、研究顧問およびアドバイザリーボードの先生方とのディスカッションを経て、研究をさらに深めることが可能です。
研究所で意欲的に活動を行うことで、研究者として大きく成長できると思います。
乙卯研究所は、研究者が独自に考えたテーマを独立して遂行・発展させることができる場所です。他分野を研究している研究者と議論して視野を広げることも、アドバイザーの先生方と議論してテーマに深みを出すこともできます。設備に関しても、有機合成実験に必要な実験器具や精製装置、解析装置が一通りそろっており、大学の研究室と遜色ない環境で自由に研究できる環境が整えられています。
博士研究とは異なり、一から研究テーマを考案し、議論と実験を重ねて発展させていく一連の経験の中で、本当の意味で自立した研究者へ成長するための貴重な時間を過ごすことができます。
中部大学 分子性触媒研究センター長 教授 山本 尚
岐阜薬科大学(助教)、十全化学、三菱ケミカル株式会社、大阪大学(特任助教)、高崎健康福祉大(助教)、東北大学(助教)、岐阜大学(助教)、東北大学(講師)、広島大学(助教)、明治薬科大学(助教)、京都大学(特定助教)、Pennsylvania大学(研究員)、東京理科大学(助教)、株式会社PRISM BioLab、Red Arrow Therapeutics株式会社、北海道大学(特任助教)、Nebraska大学Lincoln校(助教)など